
繊維業界はやめといた方がいいって
言われちゃった…
こんなふうに、就職や転職に迷っていませんか。
給料の水準、海外製ファストファッションの台頭、斜陽産業…繊維業界にはこうした言葉がついてまわります・
結論から言うと、全員に「やめとけ」と言うつもりはありません。
ただ、入社する前にいい面・悪い面を知っておくべきだと思います。
繊維業界から抜け出した私は、繊維業界での経験は無駄ではないと思っています。
この記事では、老舗の繊維メーカーで3年働いた私が、
- 繊維業界がやめとけと言われる理由
- 繊維業界で働いた体験談
- 繊維業界で働くメリット
- 繊維業界に向いている人・向いていない人
などを、リアルな実態を踏まえて解説します。

・繊維業界に挑戦したい人
・繊維業界を抜け出そうか迷っている人
という方におすすめの記事です!
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繊維業界が「やめとけ」と言われる3つの理由

まずは、なぜそう言われるのかを整理します。

製糸工場で働いていた経験、
そして支社でも働いたことがあります。
私が働いていた会社はグループで1,000人、単体でも500人ほどの規模でした。
決して小さな会社ではありません。
会社の体質が古い
一番強く感じたのがこれ。長時間労働が正義だったり、年上が圧倒的に偉いという状況があります。
年功序列の給与体系でやっている会社が多く、若手は上司が帰るまでは帰れないという状況も少なくありません。
工場勤務の方が顕著で、30歳前後の係長クラスになると長時間現場にいることになります。
長時間働いていても年功序列のせいで、若くしての昇進がほとんどないのが繊維業界の悪しき慣習です。
少し余談ですが、私が勤めていた会社はタイムカードがなく、残業が申告制という信じられないこともありました。

残業代はどうやってつければ…汗
勤怠は申請をしない限り通常の勤務時間で打刻したと同じ扱いになります。
つまり、申請をしないと残業の打刻がつかないんです。
残業は、その日の17:00までに上長に申し出て、許可が出た場合のみ可能。
ですが、そんなことをする社員は実質いません。みんなサービス残業ということになります。
全てがこの形態ということではありませんが、細かい勤怠は気にせずやっている会社があるという事実はお伝えしておきます。
他の製造業より給料が低い
繊維業界は他の製造業よりも平均給与が低いんです。
厚生労働省の調査をもとに、製造業の業種別の平均年収を比べてみましょう。
| 業種 | 平均年収 |
| 繊維工業 | 357万600円 |
| 製造業全体 | 513万5500円 |
| 電気機械器具製造業 | 567万7400円 |
| 輸送用機械器具製造業 (自動車など) |
573万5000円 |
| 全産業平均 | 506万9400円 |
※厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」をもとに算出された業種別の平均年収

同じ製造業でも、これだけ差があるんです
繊維工業は、製造業全体より150万円以上も低いという結果でした。
自動車などの輸送用機械と比べると、その差は200万円以上になります。
ちなみに私のいた会社の場合、新卒3年目で昇格して年収380万円ほどでした。
生活できない金額ではありませんが、年功序列である以上、40歳くらいにならないと大きくは変わらないだろうという見通しが立ってしまうのです。
先輩たちの給与水準を見れば、自分の10年後もだいたい想像がついてしまいます。
そして徐々に転職を考えるようになっていきました。
業界全体の斜陽感
これは会社の努力だけではどうにもならない部分です。

頑張ってるのに、追い風が吹いてない感覚…
国内の繊維産業は、海外生産へのシフトが進んで久しい業界です。
バブルのように高級志向の洋服を市場が求めておらず、唯一無二の技術がある工場でもロット(発注単位)が小さく、なかなか会社全体の売り上げには結びついていないようでした。
社内にいると、この先どう成長していくのかが見えにくく、将来性への不安が常につきまといました。
会社が悪いというより、業界の構造として厳しいのです。
だからこそ、個人の頑張りでは解決しにくい問題でもあります。
繊維業界の意外なメリット

ここまで厳しい話が続きましたが、いい面もありました。

悪いところだけじゃないんです!
私が3年間働いてきて感じたメリットもしっかり書いておきたいと思います。
福利厚生が手厚い
これは古い業界ならではの強みだと思います。さらにいうと、私の勤めていた会社は老舗だったので特に福利厚生はよかったと思います。

独身寮、食堂、ここは本当に恵まれていました!
繊維業界は歴史が長いぶん、制度がしっかり整えられているんですね。
例えば私の暮らしていた独身寮は6,600円で1Kの部屋でした。※10年ほど前
また、工場にあった食堂は1食400円、都会で食べたら1,000円を超えそうなボリュームでした。
資格奨励金も手厚く、私は会社にいるときに簿記2級に合格し、2万円をもらいました。
額面の給料だけを見ると低く感じても、福利厚生を含めた「実質の待遇」で考えると印象が変わります。
年収の数字だけで判断すると、この部分を見落としてしまうので注意が必要です。
従業員を解雇しない
これも老舗企業の大きな安心感でした。
多少うまくいかないことがあっても、簡単にクビになることはありません。
雇用を守るという意識が、会社に根づいているんですね。
家族を抱えているような、安定を最優先に考える人にとっては、これ以上ない環境だと思います。
ただし、これは諸刃の剣的な要素もありました。
パワハラのような問題を起こした人でも、数年経てば何となく許されてしまう風潮があったのです。
厳しい処分が下されないまま、時間が問題を洗い流していく。
つまり「守られる」ということは、「問題のある人も守られる」ということでもあります。
法令遵守の意識が強い
業界が古いぶん、制度が整っているように感じます。
年功序列は強いですが給与体系は整っていますし、工場で働いていると環境問題などにもかなり積極的に改善をしている様子でした。
そのため、繊維業界で働いていた法令遵守の意識があれば、他の会社でもきちんとした人だと見られることが多かったです。
繊維業界に向いている人・向いていない人
ここまでを踏まえて、整理してみます。
| 繊維業界に向いてる人 | 繊維業界に向いてない人 |
| 安定を何より重視したい | 成果を出した分だけ評価されたい |
| じっくり長く勤めたい | 20代のうちに早く成長したい |
| 福利厚生を含めた待遇を大事にしたい | 論理やデータで議論したい |
| ものづくりや素材・服に興味がある | 給料を大きく上げたい |

どっちが良い悪いじゃなくて、相性の話です
どちらが正しいという話ではありません。
ただし、向いている人・向いていない人に分かれると思います。
私自身は繊維業界を離れましたが、工場で働いているときは
- 「すごい!色味をこんなに細かく調整しているんだ!」
- 「こんなすごい糸があるんだ!」
- 「地味だけどすごいカイゼン!」
と、ものづくりに感動した思い出があります。
ものづくりに従事したい、服や生地に興味がある人はめちゃくちゃ向いていると思います。
大手繊維メーカーで働いた3年間

新卒で入社したのは、歴史のある繊維メーカーでした。

入社当初は、安定した会社に入れた!
と嬉しい気持ちでした
グループ全体で1,000人ほどの規模で、上場もしており、業界では名の知られた会社です。
配属されたのは事務系の部署で、原価計算と総務を担当していました。
歴史もあり、上場企業だったため、親世代や百貨店で働いている親戚からはかなり高評価で、入社当初は誇らしかった記憶があります。
ところが、労働環境に違和感を覚え始めました。
メーカーの工場というのは、すごくコストに厳しい目を持っています。
そのため、夏場も30度超えてもエアコンをつけてくれませんでした。
33度を超えたら課長に「エアコンをつけるか」の相談ができるというものでした。
「そんなことあり得るの?」と思われるかもしれませんが、本当にあったのです。
私はこれで体調を崩してしまいました。

労災では…?と思いましたね
繊維業界は縮小傾向で、ファストファッションが流行る中、質の高い生地は思ったよりも売れません。
一部の有名ブランドに卸しているとしても、ロットは少なく、ちょっとした広告くらいにしかなりません。
そうなると会社は繊維事業を縮小していき、ショッピングモールの経営に力を入れたり、別事業に乗り出したりして、自分は繊維に興味を持って入社したのに別事業の配属になったという同僚もたくさんいました。
繊維メーカーに入りたかった自分は、伸びない業界で、どこに飛ばされるかわからない中、働き続けることに疑問を持ち始めてしまいました。

将来的に繊維のことを
できなくなるかもしれない
入社から3年を迎えるころ、そう思えてしまったことが、辞める決め手として一番大きかったです。
結局転職エージェントを使って70万ほど給料が上がったので、繊維業界にこだわらなくて良かったなと今では思っています。
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それでも…繊維業界で働いて良かった

「業界が斜陽だから、経験も無駄になるのでは…」と不安になるかもしれません。
でも、そんなことはありません。
なぜなら、繊維業界は古い体質だからこそキッチリしている印象を持たれやすいでからす。

繊維業界での経験は次の会社で活きました!
大事なのは、そこで培った自分のスキルを業界の外の言葉に翻訳することなんですね。
たとえば私がやっていた原価計算や総務は、業界を問わずどこでも必要とされる仕事です。
繊維の知識そのものより、「数字を扱えること」「バックオフィスを回せること」のほうが評価されます。
製造業で原価を見てきた経験は、他のメーカー、製造業以外でも売り上げや施策の効果をみる部署でもそのまま通用します。
また、工場にいた頃はカイゼンを徹底的に叩き込まれました。
小さなカイゼンを積み重ねることは「ものづくり」の基本で、事務課の私でも月に2件ほどは改善案を提出していました。
どの業界でも常にカイゼンは必要な考え方です。
この経験が積めたので、繊維業界にいて良かったと心から思っています。
とはいえ、私の経験は業界の一部分でしかありません。
もし繊維業界への転職を考えているようでしたら、転職エージェントに相談して、各会社の特徴や雰囲気を聞いて検討してみてください。
おすすめの転職エージェントは、下記の記事でも詳しくでまとめていますので、あわせてご覧ください。
繊維業界に関するよくある質問
繊維業界の平均年収はどれくらいですか?
厚生労働省の調査をもとにした業種別の平均年収では、繊維工業は357万600円とされています。
製造業全体の513万5,500円と比べると、150万円以上低い水準です。
ちなみに私は、新卒3年目で昇格して年収380万円ほどでした。
3年目で自動車業界に転職した同期は年収が80万円アップしたとのことです。
繊維業界に将来性はないのでしょうか?
業界全体としては厳しい面があるのは事実です。
ただ、高機能素材などに強い企業もあり、会社によってまったく状況が違います。
「業界」でひとくくりにせず、個々の会社を見ることが大切です。
3年で辞めるのは早すぎますか?
早すぎることはありません。
3年あれば、その会社や業界の全体像は十分に見えてきます。
合わないと分かった時点で動くほうが、次のキャリアには有利です。
まとめ
この記事のポイントをまとめます。

大事なのは、自分に合うかどうか!
企業としての安定性はあると思いますよ
繊維業界は「やめとけ」と言われる理由は、
繊維業界のメリットは
そして私自身は、
と思っています!
繊維業界全体がダメなのではありません。
ただ、あなたに合っているかどうかは別の話なので、しっかりと業界研究・企業研究をしてみることをおすすめします。
本記事が繊維業界への転職、繊維業界からの転職の参考になれば嬉しいです。





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